感覚のズレから考える、ふくらはぎの不調
〜冷え・むくみ・つりの根本原因とは?〜
こんにちは!Yousfullの宮田です。
6月に入りましたが、急激に気温が上がり体調管理が大変ですね。体調管理に気をつけて過ごしていきましょう!
さて、今回はお悩みの方も多い「ふくらはぎ」の不調について考えていきたいと思います。
ふくらはぎの不調、原因は本当に「硬さ」だけ?
- 「足が冷える」
- 「ふくらはぎがよくつる」
- 「むくみが張り感が気になる」
こうしたふくらはぎの悩みは、性別や年齢を問わず非常に多くの方が抱えています。
ストレッチをしても、筋トレをしても、マッサージをしても
「一時的には良くなるけど、またすぐに戻ってしまう」
そんな覚えはありませんか?
このふくらはぎの不調は、筋肉の“硬さ”だけでなく、「感覚のズレ」が関係している可能性があるかもしれません。

ふくらはぎの不調は機能低下のサイン
感覚のズレが引き起こす不調とは?
ふくらはぎは、表層の下腿三頭筋(腓腹筋・ヒラメ筋)だけでなく、深層には後脛骨筋や長母趾屈筋といった小さな筋群が密集しており、その内部を血管や神経が縫うように走行しています。(この領域を専門的には「下腿」と呼びます。
このふくらはぎの特徴から、不調につながる原因を考えていきたいと思います。
① 血液循環の調整=「第2の心臓」
ふくらはぎは「第2の心臓」とも呼ばれるのは有名ですが、これはふくらはぎにある筋肉のポンプ作用で血液を心臓に戻す働きがあります。
しかし、長時間の座りっぱなしや運動不足によって筋肉が硬くなると、
ふくらはぎ内部の血管や神経が圧迫されやすくなるリスクがあります。
特に神経はたった20mmHg程度の圧力でも機能が低下することが報告されています(むくみ対策などの着圧ストッキングなどと同等の圧力)
参考にはなりますが、ふくらはぎ内の圧力上昇がきっかけで発生する「コンパートメント症候群」という非常に危険な状態も存在します。
コンパートメント症候群とは
骨折や打撲などの外傷が原因で筋肉組織などの腫脹がおこり,その区画内圧が上昇すると,その中にある筋肉,血管,神経などが圧迫され,循環不全のため壊死や神経麻痺をおこすことがある。
(日本救急医学会HPより一部抜粋)
これは極端なケースではありますが、日常的なふくらはぎの張りやむくみでも、圧迫による循環不良や神経の感度低下が起こると考えられます。
【血管】→ 冷え・むくみ(循環障害)
【神経】→ 力が入りにくい・感覚の低下(感覚のズレ)
※腎臓や心臓に持病を抱える方にもむくみなどは出るので内科的な疾患との鑑別は必ず必要になります。気になる方は必ず医療機関を事前に受診しましょう。

むくみや張りは血管や神経の圧迫につながる
② 姿勢コントロール=足首の安定と筋感覚
ふくらはぎは、立位姿勢の中で足首を安定させる役割も担っています。
このとき重要になるのが、「筋紡錘(きんぼうすい)」という筋肉の動きを感知するセンサーです。
筋紡錘は「伸張反射」という反射が備わっていて、足元のグラつきを調整したり、急激に伸ばされたりすると収縮する特性があります。
ところが、長時間の座位姿勢が続くと、筋力や柔軟性の低下を招き、筋紡錘の感度が下がり必要以上に反応してしまう(足がつる)ことがあります。
結果として
- 「足がつる」
- 「細かい動きがしづらい」
- 「足首がグラつく」
といった誤作動的な反応(感覚のズレ)が起きやすくなるのです。このような無意識的なふくらはぎの感覚のズレが、冷え・むくみや張りなどの不調を引き越している可能性があります。

踵を上げる「カーフレイズ」はオススメのエクササイズ
ふくらはぎの不調改善エクササイズ
ではふくらはぎの不調改善に効果的なエクササイズを動画で紹介していきたいと思います。
※専門用語が多いですが、動きをまねしてもらうだけでも十分効果があります。
まとめ:根本的な改善には“感覚のズレを修正”
ふくらはぎの不調を根本から改善するには、
単に「硬さをほぐす」のではなく、血管・神経・筋肉の感覚バランスを整えることが重要です。
- 筋肉が正しく使える状態か
- 感覚が鈍って過剰反応していないか
「感覚のズレ」を修正して適切なトレーニングにつなげていきます。
Yousfullでは、些細な症状から評価を行い、一人ひとりに合わせたオーダーメイドプログラムをご提供しています。
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参考図書・引用元
股関節|協調と分散から考える(ヒューマンプレス.2020)
日本救急医学会HP